中井竹山手稿。懐徳堂の初代学主、三宅石庵は、『中庸』は第二十章を境に、前半の主題を「中」、後半の主題を「誠」と分けることができると考え、この「誠」が唐突に一度だけ出てくる第十六章は、第二十四章の後に置くべきだと主張した。本書は、安永元年(1772)に竹山がこの説を踏襲し論証したもの。懐徳堂の経学研究の一つの成果として知られる。本書は、平成六年懐徳堂友の会刊、懐徳堂文庫復刻叢書七『中庸雕題』の中に復刻されている。