中井履軒自筆書入。二冊。中井履軒(1732−1817)は、竹山の二歳下の弟で、兄とともに五井蘭洲に師事した。履軒は三十代半ばのとき、懐徳堂を離れ、水哉館<すいさいかん>という私塾を開いた。履軒はこの水哉館で本格的な経書研究に着手した。本書のように版本を用いて、その本文の訓点等を改めるとともに、上欄や余白に自他の注釈を細書した。これは四書五経について行われ、それらは『七経雕題』<しちけいちょうだい>(全三十六冊)と総称される。本書は、平成八年懐徳堂友の会刊、懐徳堂文庫復刻叢書九『論語雕題』の中に復刻されている。