大阪大学図書館報 第55巻第1号(通巻198号), 2022.3

【LS FORUM】
テーマ1:「ニューノーマルな学習支援活動様式」

図書館ラーニング・サポーター(2021年度)
各館ラーニング・サポーター担当職員

4館のラーニング・サポーター(LS)に聞きました。

対面からオンライン形式に切り替えて、あるいは並行して行った2021年度のLS学習支援活動。
実施してみてどうだったのでしょうか。

  • Q.1 【学習相談】対面とオンラインはどちらがやりやすかったですか。

    「【学習相談】対面とオンラインはどちらがやりやすかったですか。」に対する回答

    コメント:

    • 対面の学習相談では、情報の共有がスピーディーであり、また相談者の表情が見えるため、説明の仕方を工夫しやすかった。オンラインでの学習相談では、相談者の顔が見えないため、自分の説明で納得していただけているかわからないことがあった。逆に顔を映さなくても良く、家から相談できるため相談者としてはやりやすいと思う。
    • 僕の場合は文章添削のご相談がほとんどなので、オンラインだとZoomの画面共有しながらワードで添削できるので対面で手書きの添削よりはやりやすいです。
    • 質問されたのは基本的に数学・物理問題なので、対面のとき、手書きで説明しやすい。
    • 英文の和訳をチェックするなど回答が一方的(LS→質問者)でごく簡単なものに対してはオンラインでも十分対応できたと思います。
    • オンラインの手段はいま入国できない学生にとって便利。
    • 基本的にオンラインと対面の相談に変わりはないが、オンラインの場合、相談者の画面がオフになっているとコミュニケーションが取りづらいと感じた。
    • オンラインになったことで利用者の幅が広がったように思う。
    • 対面のほうがやり取りをしやすい気がします。一方、アクリル板があるので、お互いの声を聞きとりにくかったです。
  • Q.2 【講習会】対面とオンラインはどちらがやりやすかったですか。

    「【講習会】対面とオンラインはどちらがやりやすかったですか。」に対する回答

    コメント:

    • 顔を見せたくない人にとってはオンラインの講習のほうがハードルが低いのではないかと思いました。Zoom特有の機能(リアクションなど)をつかった講習ができた点は個人的に良かったと思います。
    • オンラインのほうは聴衆の反応が分かりにくいデメリットがある一方、そのおかげで緊張感もあまりなくなりました。
    • オンラインの講習会のメリットに関しては、どのキャンパスの学生も参加可能で、図書館に来なくても参加できるので、参加者が大分増えると思います。デメリットに関しては、講習会のホストが一方的に話してしまう可能性があると思います。
    • オンラインによるメリットは資料の共有・保存が電子媒体で行えること、デメリットは表情・ジェスチャーが伝わりにくい分コミュニケーションに少し難が入る点、だと思います。
  • Q.3 【その他の学習支援】学習相談・講習会以外のオンラインによる活動は行いましたか。(Slackを用いたものなど)

    「学習相談・講習会以外のオンラインによる活動は行いましたか。(Slackを用いたものなど)」に対する回答

    コメント:

    • Slackで英語と日本語の学習相談を行いました。言語の学習はやはりお互いに話すことが大事だと思いますが、Slackの投稿は一つの交流手段として学習者の質問の解決するために役に立つと思います。対面の時「これは簡単すぎると思われるかも、聞くのが恥ずかしい」のような問題でも、Slackで投稿すれば、討論できます。しかも、相談相手は限定していないため、多くの人からアドバイスをもらうことができます。
    • プログラミング相談会、次年度もやった方が良い。相談してくれたのは数人だったが飛躍的にプログラミング能力が向上した人がいたから。
    • Slackで中語×霓虹語のセミナー企画を参加した。
      • 面白い話題がたくさん出てきてよかったと思う。→企画側も話題何個か用意したらいいと思う。
      • 参加者の属性から見ると初心者より長年学習者のほうが多い気がする。→初心者と上級者で分けると初心者でも発言しやすい雰囲気を作れると考える。
      • LSは基本的にSlackを見るのが従事時間のみで週1回だったので、一週間たったら話題についていけないと思うときもある。

【LS担当職員より】

対面、オンラインそれぞれにメリットとデメリットがあり、資料や相談内容の共有の方法などには工夫の余地があることがわかりました。オンラインならではの不特定多数の話題共有空間なども、活用次第で有効な学習支援活動につながるでしょう。

参加のハードルをなるべく下げ、かつコミュニケーションをしっかりとって共有していこうというLSの皆さんの姿勢が頼もしかったです。