教員著作の紹介 2014年4月以降到着分

2015/3/30 이건제(李建濟) 講師(外)

한국 근현대문학의 모더니티 (도서출판 선인, 2015)

 本書は、「韓国近現代文学のモダニティーの究明」という一貫したテーマで著述されたわけではない。本書は、近代の遅滞と植民地的状況が産んだ色々な問題が韓国文学史のあちらこちらで隠蔽されたり露出されたまま影響を与える中で、韓国文学の近現代性、すなわちモダニティーが形成されてきた過程について、そしてそのモダニティーが文学の各部門で作動してきた様々な様相について注目しつつ、これまでに書いてきた論文などの文を集めた結果である。本書に掲載された文を書く中で、筆者は、自律的近代化の挫折の中でも韓国の近現代作家が「民族国家単位の文学の樹立」と「作家としてのアイデンティティの確立」という、一見矛盾するように見える2つの近代的課題の遂行のために努力してきた面などを確認した。

2015/3/23 森田浩 教授(情)

データ包絡分析法 : バランスの取れたベンチマーキング / Joe Zhu, Wade D. Cook著 ; 森田浩訳 (ITSC静岡学術出版事業部, 2014)

Excelでここまでできる統計解析 : ヒストグラムから重回帰分析まで (日本企画協会, 2015)

2015/3/20 澤井実 教授(経)

帝国日本の技術者たち (吉川弘文館, 2015)

 戦前日本の帝国的経済圏が東アジアに拡大するにつれて、技術者の役割も増大しました。また戦時期になると軍需関連技術者が急増します。太平洋戦争の敗戦によって植民地を失い、帝国陸海軍が消滅すると、技術者の引き揚げ、軍事部門から民需部門への転換が急がれます。本書ではそうした過程が検討されています。また軍需技術と戦後高度成長の関連についても考察しました。

2015/3/20 中嶋善輝 准教授(人)

簡明ウズベク語辞典 : Qisqacha Oʻzbekcha-Yaponcha lugʻat (大阪大学出版会, 2015)

2015/3/18 水島郁子 教授(高等司法)

よくわかる社会保障法 : understanding social security law (有斐閣, 2015)

 社会保障法は、健康保険や年金といった身近なテーマを扱いますが、条文が複雑で、他法に比べて裁判例が少なく、行政実務の取扱いがわかりにくい、意外ととっつきにくい法分野でもあります。本書では、初めて学ぶときに感じる疑問を大切にし、できるだけ丁寧な説明を心がけました。実務的な論点を盛り込みつつ解説していることも特徴的です。

労働者像の多様化と労働法・社会保障法 (有斐閣, 2015)

 西村健一郎京都大学名誉教授(私の大学院時代の恩師です)の古稀を記念して出版した論文集です。社会環境の変化や働き方の変化にともない労働者像が多様化する中で、労働法・社会保障法が交錯する分野を中心に、労働法、社会保障法の問題を分析・検討しました。計20本の論文で構成されています。

2015/3/17 伊丹康二 助教(工)

公共施設の再編 : 計画と実践の手引き / 日本建築学会編(森北出版, 2015)

 近年、公共施設は施設の老朽化、施設利用の偏り、市町村合併による余剰施設の発生、自治体の財政難など多くの問題を抱えています。これらの問題に対して、これからの人口減少時代に対応した公共施設の再編が求められていますが、その方法は各自治体とも手探り状態です。本書は、公共施設の再編に向けた具体的な考え方や手法を解説するなど実践的な手引書としてまとめています。

2015/3/12 岡野彩子 招へい研究員(CSCD)

東アジアでボンヘッファーを読む : 東アジア・ボンヘッファー学会2013 / 日本ボンヘッファー研究会編(新教出版社, 2014)

2015/3/12 齋藤基彦 名誉教授

明治の唱歌 : 復刻 (文憲堂, 2015) 全4冊

2015/3/12 澤井実 教授(経)

機械工業(日本経営史研究所, 2015)

 本書で取り上げた造船業、鉄道車両工業、工作機械工業、紡織機・繊維機械工業は、いずれも日本において1世紀を超える長い歴史を有する注文生産型機械工業である。現在、日本の製造業、機械工業を取り巻く国際環境は大きく変化し、「世界の工場」に成長した東アジアのなかで日本はいかなる位置を占めることができるのか、鋭く問われている。工業生産における多様性と柔軟性の象徴である上の注文生産型機械工業4業種は、多くの人びとに安定した雇用を提供し続け、挑戦するに値する技術的課題を提示してきた。注文生産型機械工業の可能性を語ることは、日本経済の可能性を語ることに直結していると思う。

2015/3/10 海崎純男 名誉教授、特任教授(産携本)

金属錯体の色と構造 : 電子スペクトルと機能物性の基礎 (三共出版, 2015)

2015/3/10 菅沼克昭 教授(産)

SiC/GaNパワー半導体の実装と信頼性評価技術 (日刊工業新聞社, 2014)

 ワイドバンドギャップ・パワー半導体は、Siパワー半導体の限界を越え、デバイスの更なる小型化、高周波化、大電力化などの新たな付加価値を与えるものとして期待が集まっている。新世代のパワー半導体によって、エネルギー消費とCO2排出量の莫大な低減が達成されるが、その実現の大きな鍵を握るのが、実装技術である。本書では、各分野の専門家が集まり、実装に関わる技術の現状を詳説している。

2015/3/5 舟場保之 准教授(文)

人権への権利 : 人権、民主主義そして国際政治 / ハウケ・ブルンクホルスト, ヴォルフガング・R・ケーラー, マティアス・ルッツ=バッハマン編 (大阪大学出版会, 2015)

2015/3/5 矢谷博文 教授(歯), 前田芳信 教授(歯)

歯科補綴学模型実習マニュアル (大阪大学出版会, 2014)

 本書は,クラウンブリッジ補綴学,部分床義歯学,全部床義歯学、インプラント補綴学からなる歯科補綴学の実習書として作成したものである.歯科補綴学の実習が限られた時間内に,正しくかつ効率よく行えるように,ステップ写真を極力多くし,コラムなども入れてより理解が深まるように工夫して作成されている.歯科学生は言うまでもなく,歯科技工士学校や歯科衛生士学校の学生たちにとっても,最新の補綴歯科治療の理解と実践に必要な基本的な技術を習得するうえで,本書は必ず役立つものと確信している.

2015/3/4 八木厚志 教授(情), 森田浩 教授(情)

工学系の数学解析 (大阪大学出版会, 2015)

 本書は、大阪大学工学部の2年次学生向けに講義されている数学解析 I (複素関数論とフーリエ解析)と数学解析 II (微分方程式とラプラス変換)の教科書として作成されたものである。講義の回数に合わせて全体を15節ほどに纏めている。フーリエ解析とラプラス変換は、講義回数の制約から入門的な内容になっている。
 本書は、数学解析についてユーザーの立場から解説されている。解析学の学問的な流れに沿って(詳細な証明なしに)内容を概説するとともにそれらの応用例を挙げている。各節の終りには内容の理解を確かなものとするための計算問題や応用力を養うための演習問題が豊富に用意されている。学生達が学問の流れにしたがって内容を自然に理解しつつその応用力を身に付けてくれることが著者達の願いである。
 工学部の学生に限らず、数学解析と理工学に現れる諸問題との密接な関係について興味をもっておられる一般の読者に対しても本書が何らかのお役に立つとすれば、それは著者達にとって望外の幸いである。

2015/3/4 土岐博 特任教授(産携本), 兼松泰男 教授(産携本)

理系の言葉 : 微小量の魅力 (大阪大学出版会, 2015)

2015/3/4 島津忠夫 名誉教授

心敬十体和歌 : 評釈と研究 (和泉書院, 2015)

2015/1/28 西田理恵子 准教授(言)

Empirical studies of affective variables and motivational changes among Japanese elementary school EFL learners (Kinseido, 2014)

 本書は、小学校外国語活動における児童の動機付けと情意要因に関する実証研究を量的・質的研究手法を用いて分析した書籍です。研究と教育の視点から小学校外国語活動について論じています。特に横断的調査と縦断的調査(教育介入型研究)を行っているため、様々な視点から小学校外国語活動に関する示唆を述べています。小学生を対象に実証研究を行いたい方へのご参考となる一冊です。

2015/1/27 野島博 教授(微)

絵でわかる遺伝子治療 (講談社, 2014)

「遺伝子治療」は古くて新しい話題です。今年の日本国際賞は1972年に遺伝子治療の概念を提唱した米国のセオドア・フリードマン教授(79)と、X連鎖重症複合免疫不全症において遺伝子治療の治療効果を実証したフランスのアラン・フィッシャー教授(65)に贈られましたが、これは極めてタイムリーなニュースと言えるでしょう。というのも、ごく最近になって、がん細胞を特異的に殺す腫瘍溶解性ウイルス(オンコリティックウイルス)が開発されて、末期がん患者の遺伝子治療に大きな成功を収めたというニュースが世界を駆け巡っているからです。余命が数ヶ月と言われた末期がん患者の腫瘍が、腫瘍溶解性ウイルスを投与するという遺伝子治療によって劇的に縮退し、3年以上たって完治したと行っても良いレベルまで体調が回復したというのです。これで、いよいよ遺伝子治療が身近になってきました。しかし、「病気を起こす悪いヤツ」というふうに子供の頃から刷り込まれているウイルスそのものを人体に入れるという治療法が、はたして一般の人にどこまで受け入れられるかが大きな障害となると予想されます。遺伝子治療に使われるウイルスは、正義の味方といえる善玉ウイルスなのですが、十分な情報を与えられていない一般の患者に、すぐに歓迎されるとはとても思えません。そこで、善玉ウイルスが社会に受け入れられる土台づくりをすべきだと考え、本書を上梓した次第です。
 遺伝子治療には多くの場合に「遺伝子検査」が付随してくるので、最初の幾つかの章で遺伝子検査について解説しました。遺伝子検査には、大きく分けてDNA検査とRNA検査があります。とくにDNA検査は「金メダル遺伝子」、「肥満遺伝子」、「親子鑑定」、「出生前遺伝子検査」など生活と密接に関わる検査サービスが次々と出現しています。しかしながら遺伝情報は究極の個人情報であるため、その取り扱いには細心の注意が必要で、検査を受ける前に遺伝子検査とは何かに関する基礎知識を持っておくことは必須です。その意味でも本書が読者の皆様のお役に立てることを祈念します。遺伝子治療については「がんの遺伝子治療」に重点をおいて解説しました。理解を深めるために、全般にわたって親しみやすい絵を数多く配置しました。これらの工夫が読者の興味をいっそう深める一助となれば幸いです。

2015/1/20 半谷史郎 講師(外)

ハルビン駅へ : 日露中・交錯するロシア満洲の近代史 / ディビッド・ウルフ著 ; 半谷史郎訳(講談社, 2014)

2015/1/6 日比孝之 教授(情)

証明の探究高校編! : コミック / 日比孝之原作 ; 門田英子漫画(大阪大学出版会, 2014)

 「数学嫌いも必携!!」の、文系向け教養数学のテキスト、共通教育シリーズ『証明の探究』(大阪大学出版会)が、その著者、日比教授の原作コミックで登場! 桜灘高校2年の葉子は、成績優秀な慶太が気になるが自分の気持ちにとまどう。あみだくじはどうして一人の相手にしかたどりつかないの? 落書きを詰め込み授業の数学教師トゲバタに注意され、慶太は葉子のノートの相合傘を見てしまう。美少女・沙織は、慶太に急接近。葉子と慶太を離そうとする。葉子はあみだくじを証明しようとするが…?! 淡い恋話のなかに、ハッとさせられる数学や、大学や研究者の風景が織り込まれる。「数学する」ことは証明すること、である。歴史に残る証明問題もコラムで掲載。「受験数学、教養の数学に必携」のコミック。
主要目次
第1話 高校2年生の2学期開始 ― 公式の証明は無視する?!
 歴史に残る証明問題①
 教科書に載っている入試問題
第2話 体育祭の相撲大会 ― リーグ戦と背理法
 歴史に残る証明問題②
 歴史に残る京大入試問題
第3話 占いの真偽は? ― あみだくじと数学的帰納法
 歴史に残る証明問題③
 阿弥陀籤の入試問題
第4話 クリスマスコンサート ― 座席問題は背理法で。
 高校時代の友人の話
河合塾の英語科講師の杉山俊一君
第5話 もうすぐ受験生 ― ふたりの証明問題は…
 歴史に残る証明問題④
 歴史の残る阪大入試問題

2014/12/1 下田吉之 教授(工)

都市エネルギーシステム入門 : 住宅・建築・まちの省エネ・低炭素化(学芸出版社, 2014)

 「都市エネルギーシステム」という言葉が、学会における研究分野の名前や企業の部署の名前などいろいろなところで日常的に使われるようになっています。人の暮らしの舞台である都市をいかにして省エネルギー・低炭素型に転換していくのかを考えるうえでは、建築設備・建築環境、建築計画、都市計画、衛生工学、機械工学、電気工学、情報工学、また関連する人文・社会科学などさまざまな分野にまたがる学際的な取り組みが必要になります。そこで、新しい研究領域として「都市エネルギーシステム」分野のしっかりとした定義と、そのシステムとしての全体像を示すこと、省エネルギー・低炭素化に向けた具体的な改善の方策、そのためのマネジメントの手法を示し、民生分野における都市のエネルギー問題の解決に関心のある、行政、産業界、学会においてさまざまな分野に属する専門家、学生、さらには環境問題に関心の高い市民に対する入門書となることを目指して本書を執筆しました。

2014/11/21 妻鹿友弘 助教授(理)

一科学者が描く ホモサピエンス : 健康長寿を獲得するヒント(妻鹿友弘, 2014)

 大阪大学理学部に於いて約40年間有機生物化学の研究に携わり、定年後、今までの知識を少しでも世の中の為になる事を願って「人間=ホモサピエンス」と題して科学者の目で見た考えをまとめてみました。ホモサピエンスの幸福は健康で充実した生活を死の寸前まで続けられる事であるとの考えの下に、最近の健康に関するマスコミの情報や目にとまった研究等も記した本です。

2014/11/17 塩谷茂樹 教授(言)

モンゴルのことばとなぜなぜ話 (大阪大学出版会, 2014)

2014/11/14 山上浩嗣 准教授(文)

パスカルと身体の生(大阪大学出版会, 2014)

寝るまえ5分のモンテーニュ : 「エセー」入門 / アントワーヌ・コンパニョン著 ; 山上浩嗣, 宮下志朗訳(白水社, 2014)

2014/10/24 成田央 特任助教(生)

基礎からしっかり学ぶ生化学 / 山口雄輝編著 ; 成田央著(羊土社, 2014)

 世の中には生化学を扱う優れた教科書がすでに存在しているが、それらは分量も多く、それゆえにコアとなるメッセージが希釈されてしまうという欠点がある。本書はそれを補うべく、内容を厳選して分かりやすく伝えることを重視した。そのため生物や化学が得意な読者だけでなく、予備知識があまりない読者が読んでも充分理解できるように構成されている。

2014/10/23 三阪佳弘 教授(高等司法)

近代日本の司法省と裁判官 : 一九世紀日仏比較の視点から (大阪大学出版会, 2014)

2014/10/23 村岡貴子 教授(国セ)

専門日本語ライティング教育 : 論文スキーマ形成に着目して (大阪大学出版会, 2014)

2014/10/22 岡本淳子 講師(言)

現代スペインの劇作家アントニオ・ブエロ・バリェホ : 独裁政権下の劇作と抵抗 (大阪大学出版会, 2014)

2014/10/22 金崎春幸 教授(言)

フローベール研究 : 作品の生成と構造 = Genèse et Structure des œuvres de Flaubert (大阪大学出版会, 2014)

 本書は、フランスの作家フローベール(1821-1880)の文学の全体像を、テクストの生成過程と作品構造の両面から捉えようとした試みである。全体は2つの部に分かれ、第Ⅰ部はテクストのいわば表層からのアプローチであり、生前に刊行された作品を中心にその構造や形式(フォルム)を把握しようとするのに対し、第Ⅱ部ではより深層に入って、草稿や原資料を読み解きながら、フローベールの文学創造の根底にある宗教家的な側面を浮かび上がらせている。

2014/10/22 藤川信夫 教授(人)

教育/福祉という舞台 : 動的ドラマトゥルギーの試み (大阪大学出版会, 2014)

 本書は、アメリカの社会学者・人類学者であるアーヴィング・ゴッフマンが初期の著作群の中で提示されたドラマトゥルギー(演劇論、演出論)的アプローチをフィールド調査に基づく個別事例研究に適用する試みである。簡単に言えば、ドラマトゥルギーとは、様々な活動領域で展開される日常的相互行為を舞台上での演技に見立てて分析するという観点である。特別養護老人ホーム、児童自立支援施設、大学、動作法リハビリテーション、ネット上の仮想空間、美術館等の事例の分析に取り組みつつ、理論家と実践家、教育の専門家と福祉の専門家といった違いを超えた議論を介してアプローチ自体の発展をも追究する点に本書の構成上の特徴がある。
 目次は以下の通りである。
はじめに
第1章 教育と福祉の動的ドラマトゥルギー-理論と実践、教育と福祉を繋ぐ新たな可能性
第2章 教育と福祉の類似性-高齢者福祉における〈一人前の演技者であるかのように扱うこと〉に着目して
第3章 ドラマトゥルギーの観点から見る認知症高齢者と介護福祉士-〈日常舞台〉と〈特養舞台〉の対立に着目して
第4章 児童自立支援施設のドラマトゥルギー-A学園の運動会を巡って
第5章 A学園運動会における参与観察-内部からの眺め、そして参与観察のドラマトゥルギー
第6章 大学授業のドラマトゥルギー-自己分析と自己評価の可能性
第7章 〈意のままにならない身体〉との相互行為-文楽における身体感覚を手がかりにして
第8章 仮想空間における相互行為-Twitter上のクラスタに関するドラマトゥルギー的考察
第9章 美術館の動的ドラマトゥルギー-会田誠展を契機とする舞台間闘争
終章 

2014/10/8 嶋本隆光 教授(日日セ)

イスラームの神秘主義 : ハーフェズの智慧(京都大学学術出版会, 2014)

 本書は、世界的に広範なファンを持つとはいっても、日本では余り知られていないペルシアの詩人ハーフェズを題材とする。特にこの詩人の神智(神についての知識)に関する詩に焦点を当てて、現代社会を考えてみた。ポイントは、近・現代社会で久しく正統な知識として受け入れられてきた近代西洋的思考法が、さまざまな局面で機能障害を起こしている現状を、新たな観点から見直すきっかけを与えることである。分析的、理性的な知に対するものとして、直感的、一見「無意味な」発話の意義を考えようとする試みである。本書では酒や恋、破戒など一見反宗教的(イスラーム)と見える詩人の言葉の奥義を解釈して、私たちが日常直面する問題を解くヒントを得ることに努めた。

2014/10/8 吉田秀太郎 名誉教授

夢と思索 / フランシスコ・デ・ケベード作 ; 吉田秀太郎訳(朝日出版社, 2014)

2014/9/25 吉野勝美 名誉教授

有線通信、無線通信 / 池田盈造講義録 (古い大学講義ノート:4)(米田出版, 2014)

電気鉄道 / 池田盈造講義録 (古い大学講義ノート:5)(米田出版, 2014)

2014/8/28 稲葉章 名誉教授

生命科学のための物理化学 / Peter Atkins, Julio de Paula著 第2版(東京化学同人, 2014)

 生命科学で生み出される膨大な知識やデータを系統的かつ定量的に解析し,それをどう解釈するか,そこに精密科学としての物理化学の出番がある.本書は,単なる素養としてではなく,生命科学の屋台骨としての物理化学を強く意識している.生命科学を支える基本原理と物理化学的なものの考え方を説明するため,使用する素材を厳選した上で,効率よく理解させるための細やかな配慮と独特の工夫を駆使している.本書は熱力学,速度論,量子論,分光法の四部から構成されているが,加えて統計力学的な概念が分子論的な解釈として各所にちりばめてある.いまや生命科学を学ぶのに現象論だけでは不十分であり,分子論的な解釈によって一層深く,しかも効率よく理解する必要に迫られている.一方,ともすれば物質中心の視点に片寄りがちなこの分野で,ものとエネルギーを2本柱とした物理化学の見方を貫いているのも本書の特徴である.

2014/8/22 歳岡冴香 特任助教(国セ)

A study on metaphorical evaluation in written texts from a perspective of cognitive linguistics ( Osaka University Press, 2014)

 本書では、書き手が比喩表現をつかって「評価」を表す仕組みを、認知言語学の観点から論じています。ここでの「評価」とは、書き手の態度や視点のことです。評価を表わす表現は、テクストの意味を考える上で重要な言語の特徴です。しかし、これは必ずしも直接的に記述されるとは限りません。比喩表現は評価を間接的に読み手に伝える表現のひとつです。本書には、次のような、比喩表現の表わす評価についての研究を収めています。1)人を動物に喩える英語直喩表現の表わす評価、2)音楽を描写する日英語の共感覚比喩(感覚間の比喩的転用表現)の表わす評価、3)村上春樹氏のエルサレム賞受賞スピーチにおける比喩表現の表わす評価。分析の対象としたテクストは、英語の大規模電子コーパス、日英語新聞記事、村上スピーチの日本語原文とその英語翻訳のように多岐にわたります。
 本書のもうひとつの特徴は、前述の村上スピーチにおける比喩表現の研究のなかで、スピーチの日本語原文と英語翻訳の比較分析を行い、認知言語学的な比喩表現の分析が、トランスレーション・スタディーズ(翻訳研究)に応用できることを示した点です。翻訳研究は翻訳の現象と理論の研究に関する学術分野で、20世紀後半に欧米を中心に確立されました。これまで欧米を中心に発展してきた翻訳研究に対しては、日本からの研究の発信も待たれています。本書に収めた村上スピーチ翻訳に関する論考が、その一つの例となると考えています。

2014/7/10 梶島岳夫 教授(工)

乱流の数値シミュレーション = Numerical simulation of turbulent flows 改訂版(養賢堂, 2014)

 製造業の現場では数値シミュレーションの役割が急速に高まっている。さらに、2011年の震災後には、防災の観点から予測技術としての数値シミュレーションの意義が再認識されている。このような状況下、新たに流体力学の数値計算の技術修得を目指す人、新たな適用範囲の開拓を意図する人のために、入門書を更新すべき時期であると判断し15年ぶりに改訂した。便覧的な列挙ではなく、著者が標準的と考える方法の解説を中心に、それを読者が自ら発展させるために必要な周辺知識を加えるという第1版の方針を維持しつつ、近年の乱流モデルの使用頻度を考慮していくらかの項目を差し替えた。

2014/7/7 真嶋哲朗 教授(産研)

光化学の事典 / 光化学協会光化学の事典編集委員会編(朝倉書店, 2014)

 光はいつの時代においても、人々に希望を与え、未来を照らす魅力的でかつ不思議な存在である。とりわけ現代社会においては、光は「エネルギー」を運ぶ量子として、また「情報」を運ぶ波として、人類社会を支える必須の役目を担っている。太陽からの自然光が多種多様な生命を地球上に育み、LEDのような人工の光が街を華やかに映し出している。産業や科学技術の分野でも,光を受けて働き,光を制御するさまざまな機能性材料が開発され,人々の生活を豊かなものにしている。このような光の働きは、元を辿れば「光と物質」との相互作用に基づいている。
 原子・分子のレベルから光と物質との相互作用を考え、その原理や性質を理解しようするサイエンスが「光化学」である。光の吸収・発光から始まり、電子励起状態の物理的な性質、単一分子や分子間の化学的な反応、多数の分子が集合した分子システムによる光エネルギーの化学ポテンシャルへの蓄積(光合成)や電気エネルギーへの変換(太陽電池)、さらに光の生物学的な効果や医療応用に至るまで、光化学が取り扱う範囲は極めて広い。当然のことながら、新聞、雑誌、テレビなどのメディアでも光化学に関係する多くの事象が取り上げられるようになってきた。したがって、光化学の研究者、材料や光学素子等を開発する技術者にとどまらず、身の周り起こる光に関するさまざまな現象について、一般社会人や理工系学生の関心は高い。
 このような状況を鑑みると、光化学に関する基礎的かつ重要な事項や現象を網羅し、専門家がしっかりと解説した事典を提供することは、社会的にも大きな意義がある。このような背景を基に、本書は、重要事項でありながら簡潔に、かつ平易な記述になるよう心掛けた。理工系の学生や科学に関心をもつ社会人に、光化学についての正しい基礎知識を提供し、応用・実用的な面からも事項を取り上げて光化学の重要性や面白さを訴え、その社会的な役割を理解していただけるものと確信している。
 本書は1項目を1~2頁で解説する読切り形式を採用して、読者がその項目に関する知識を短時間で修得できるようにしている。他の理科学書と同様に、物理的、化学的な基礎事項からスタートし、機能的、応用的な項目に進み、最後に光分析・計測に関する項目をまとめた。しかしこの順に読む必要はなく、読者が興味をもつ事項から始め、末尾に記載した「関連項目」を辿ってサーフィンをしながら基礎的項目にも目を通し、次第に全体像を把握されることを期待している。

2014/7/2 中澤 渉 准教授(人)

なぜ日本の公教育費は少ないのか : 教育の公的役割を問いなおす (勁草書房, 2014)

 教育は職業上の地位達成において非常に重要な意味を持っているがゆえに、その機会が平等に開かれているかは社会学的に重大な関心事となってきました。しかし日本の高等教育の費用は非常に高く、学費負担の大きさが進学機会に 格差を生じさせている可能性があります。また就学前教育についても日本は個人負担割合が高く、こうした教育費負担の重さは少子化に影響を及ぼしているかもしれません。
 以上の点を考えると、教育機会をできるだけ平等にするためには、教育費の個人負担割合をできるだけ低くすることが必要になります。このことは昔から指摘されてきましたが、解決されることなく今日に至っています。仮にこの問題を解決しようとすると、政府の費用負担を大きくする必要がありますが、日本の財政赤字は膨大でその余裕はほとんどありません。そして政府の負担といっても、その原資は国民の税金です。つまり国民の税負担増なしに、この問題を解決するのは非常に困難だというのが実情です。
 しかし本書で指摘したように、日本国民の政府に対する不信感は根強く、税負担増自体が困難な状況です。国際的に日本人の税負担は相対的に低く、十分小さな政府と言えるのですが、日本人の多くは未だに日本政府に膨大な無駄があり、無駄を削ればそうした費用をねん出できると思っています。いわば「もう自分はこれ以上負担はしたくないが、サービスは充実させてほしい」と言っているに近い状況です。このことは市民と政府の関係を根底から考え直さねばならない由々しき事態だと思われます。
 教育費の問題を中心に扱っていますが、それだけではなく、より広い意味で市民社会と公共性の問題、そこに政府がどう絡んでくるのか、といった課題を、本書を通して見直してもらえればと思っています。また教育社会学に馴染みのない読者のために、関連する社会学的な議論も途中で触れて紹介しています。是非、広い視点から、教育と社会の関係について本書をきっかけに考えてもらえればと思っています。

2014/6/6 福井希一 教授(工)

実践・化学英語リスニング : 世界トップの化学者と競うために (化学同人, 2014)

  • 物理化学編
  • 有機化学編
  • 生化学編
 化学同人社より出版された「実践・化学英語リスニング : 世界トップの化学者と競うために」は化学の中でのそれぞれの専門分野に応じて、「物理化学編」、「有機化学編」および「生化学編」の3分冊からなり、当該分野の学生、院生、そして若手教員が世界の化学者と伍していくために必須な聞き取り力・会話力を涵養するために開発された実践的な化学英語教材である。各編に付属するDVDにより、パソコンを使って音声を聞きながら化学に関する英文を理解し、身につける事が出来る。3分冊を合わせるとかつてない分量の音声コンテンツが収録されており、メインテキストはもちろん、各種練習問題、単語テスト、確認問題なども音声で聞き取れる点も類書にない優れた点である。本書の出版には「グローバルCOE」および「卓越大学院」の併せて7年間にわたる教育プロジェクトを通じて、工学研究科、理学研究科、基礎工学研究科等にわたる60余名の教員の方々のご協力を頂いた。記して感謝の言葉としたい。

2014/6/5 岡田千あき 准教授(人)

サッカーボールひとつで社会を変える : スポーツを通じた社会開発の現場から (大阪大学出版会, 2014)

2014/6/5 湯浅邦弘 教授(文)

竹簡学 : 中国古代思想の探究 (大阪大学出版会, 2014)

 「竹簡(ちっかん)」。この名を御存知でしょうか。中国では、紙が発明される前、細長い竹の札(ふだ)、すなわち竹簡に墨で文字を記していました。1本の長さは30センチから50センチ程度のものが多く、幅は1センチ弱、厚さは1ミリといったものです。この竹簡を並べて綴じた形が漢字の「冊」です。
 中国では、近年、この竹簡が数百枚、数千枚という単位で発見され、古代史や古代思想史の研究を大きく塗り替えようとしています。木簡に比べて認知度は低いのですが、研究材料としての豊富さ、重要性は、はるかに高いと言えましょう。
 本書は、この竹簡に記された古代文字の解析を通して、中国古代思想史を探究しようとするものです。「竹簡学」という研究領域を確立させたいという思いも込められています。
 これに関する共同研究の成果については、こちらのサイトもご覧下さい。
 →中国出土文献研究会

2014/6/5 鷲田清一 名誉教授

哲学カフェのつくりかた / カフェフィロ[CAFÉ PHILO]編 (大阪大学出版会, 2014)

2014/5/28 藤元優子 教授(言)

天空の家 : イラン女性作家選 (段々社, 2014)

 『天空の家-イラン女性作家選―』は、現在イランで著名な女性作家七人の短編小説を各一点翻訳したもので、ペルシア語から翻訳した女性作家の作品が単行本になるのは、本書が初めてです。作品は1980年代以降に書かれた比較的新しいものばかりで、主人公の女性たちの年齢も、舞台となる場所も、また作風も、それぞれに異なるため、現代イラン社会の多様な側面が読み取れるはずです。イラン女性たちの生き生きした姿を映し出すことで、イラン=「怖い国」などという一般の偏見を少しでも減らすことができたらと願っています。

2014/5/23 福岡まどか 准教授(人)

性を超えるダンサーディディ・ニニ・トウォ (めこん, 2014)

 本書はインドネシアのある女形ダンサーの活動軌跡を作品紹介とともに描いたものです。芸術活動を通してジェンダーや民族の境界を超えていくユニークなダンサー、ディディ・ニニ・トウォ。華人系インドネシア人としての生い立ちも織り交ぜながら、創作作品や活動の魅力にせまります。フォトグラファー、古屋均氏の撮影した写真、付録資料のDVDも一緒にお楽しみください。

2014/5/21 山根 聡 教授(言文)

上級ウルドゥー語読本 : 大阪大学・学術的言語文化学習教材「阪大メソッド」開発プログラム (溪水社, 2014)

2014/5/16 北山研一 教授(工)

Optical code division multiple access : a practical perspective (Cambridge University Press, 2014)

 This book is a comprehensive guide to optical fiber communications, from the basic principles to the latest developments in OCDMA for next-generation Fiber-to-the-Home (FTTH) systems.
Part I starts with the fundamentals of light propagation in optical fibers, including multiple access protocols, and their enabling techniques.
Part II is dedicated to the practical characteristics of next-generation Fiber-to-the-Home (FTTH) technology. It covers the key building blocks of OCDMA, devices such as optical encoders and decoders, signal impairment due to noise, and data confidentiality, a unique property of OCDMA. This is followed by a discussion of hybrid system architectures with TDM and WDM and practical aspects such as system cost, energy efficiency and long-reach passive optical networks. Featuring the latest research, with cutting-edge coverage of system design, optical implementations, and experimental demonstrations in testbeds, this text is ideal for students, researchers and practitioners in the industry seeking to obtain an up-to-date understanding of optical communication networks.

本書は光ファイバ通信に関する基礎から、次世代Fiber-to-the-Home (FTTH)システムのための光符号分割多重アクセス (OCDMA)に関する最新の技術に至るまで網羅しており、大学生には光通信の入門書として、また大学院学生、企業の研究者にとっては光アクセスシステムの専門書として、幅広い読者にとって役に立つものと確信している。
パートIは、光ファイバ中の光波の伝搬の基礎理論から、FTTHシステムの種々の多重アクセスプロトコルや主たる要素技術について網羅している。 パートIIは、次世代FTTH技術として有望視されているOCDMAに特有の光符号・復号器などの構成技術、信号の劣化要因、データの秘匿性を説明した後、時分割多重 (TDM) や波長分割多重 (WDM)と併用したシステムの構成例を示している。さらに、システムコストやエネルギー効率や延伸化等の実用的に重要な項目に関して、OCDMAと他のFTTHシステムとのシステムを比較している。最後に、最先端の光デバイスを用いて実際に構成したOCDMAシステムの例をいくつか紹介している。

光通信工学 (オーム社, 2012)

 今や日本列島の背骨にあたるバックボーンのネットワークには光ファイバが張り巡らされており、光ファイバはメタルケーブルに替わって家庭にまで延びている。バックボーンのネットワークを流れるデータ量はインターネットの普及とともに急速に増大しており、2012年の時点では毎秒200ギガビットのデータが流れている。これは電話300万回線分、あるいは広辞苑の文字データに換算すると約600冊分のデータ量に相当する。またスマートフォン、携帯電話、WiFiなどの無線通信サービスのデータも、バックボーンの光ファイバを通して遠隔の目的地の無縁基地局まで送られているのである。
一本の光ファイバで伝送できるデータ量、即ち伝送容量はこの30年間に100万倍にも拡大しており、技術の進展はまさに日進月歩である。光ファイバを使うと、何故このような膨大なデータを送ることが出来るのか、また伝送容量の限界は何処にあるのか等々、興味は尽きないのであろう。その答えは本書から見つけ出すことが出来るであろう。
本書では、先ず光ファイバの歴史を紐解き、次に光ファイバ中を光波が伝搬するメカニズムや光ファイバ特有の非線形効果の基礎知識をわかり易く解説する。さらに、光通信システムを構成するデバイスの動作原理などの基礎を解説し、続いて光ファイバ伝送システムの構成や評価方法を示す。最後に、光ネットワークの階層的な構成や、ネットワークの中を光信号が伝達される仕組みを説明し、アクセスネットワークのFiber-to-the-Homeシステムについて解説する。
本書の編集するにあたっては、現在大学で教鞭をとりながら、本分野で研究の第一線に立って活躍しておられる先生方に執筆をお願いした。大学で初めて光ファイバ通信を学ぶ学生諸君の入門書としても、また本分野に関連する仕事に携わるエンジニアの諸兄にも十分な専門知識を提供できるものと確信している。
編著者 北山研一

2014/5/14 清水喜久雄 准教授(ラジオ)

放射線障害の防止に関する法令 : 概説と要点 (日本アイソトープ協会, 2014)

 放射線障害防止法関係法令の要点を項目ごとにまとめた解説書です。本書は,放射線障害防止法関係法令の概要を正しく理解する手引書として,法令の全体像を俯瞰できるよう構成されています。巻末の付表では,規制体系の全体像をはじめ,おもな数値,基準等を表にまとめており,放射線取扱主任者試験課目の「法令」の学習テキストとしても利用していただけます。

2014/4/28 審良静男 教授(IFReC)

最先端研究開発支援プログラム「免疫ダイナミズムの統合的理解と免疫制御法の確立」 (大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室, 2014)

免疫研究の新展開 : 免疫ダイナミズムの統合的理解と免疫制御法の確立(DVD) (桜映画社(製作), 20--)

2014/4/28 桃木至朗 教授(文)

市民のための世界史 / 大阪大学歴史教育研究会編 (大阪大学出版会, 2014)

 教養科目「市民のための世界史」の教科書で、大阪大学史学系が全国の高校教員などの協力のもとに組織した「大阪大学歴史教育研究会」(http://www.geocities.jp/rekikyo/)での研究成果にもとづく。高校世界史をくまなく履修したことを前提にせず、(1)世界史全体を鳥瞰した構図と現代世界の理解につながる問題群の提示、(2)それぞれの学部・専門の学生が学ぶべき先端研究の成果と新領域の多彩な記述、(3)固有名詞や年代の羅列の排除などの特徴をもつ。歴史を学ぶ意義や歴史学とは何をどうるす学問かもコンパクトに解説してあり、暗記知識が多すぎる史学系学生や教員志望者の頭の整理、高度教養教育や社会人の読書にも使える野心作である。

2014/4/25 内田次信 教授(文)

ヘラクレスは繰り返し現われる : 夢と不安のギリシア神話 (大阪大学出版会, 2014)

2014/4/25 奥平俊六 教授(文)

屏風をひらくとき : どこからでも読める日本絵画史入門 (大阪大学出版会, 2014)

2014/4/25 木戸衛一 准教授(国共)

平和研究入門 (大阪大学出版会, 2014)

2014/4/25 高橋照彦 准教授(文)

野中古墳と「倭の五王」の時代 (大阪大学出版会, 2014)

 中国の歴史書にみえる「倭の五王」の時代、西暦でいえば5世紀には、日本列島で巨大な前方後円墳が次々に築かれていた。その時代の文物が大量に出土した代表的な古墳の一つが、古市・百舌鳥(ふるいち・もず)古墳群に含まれる、大阪府藤井寺市の野中古墳である。この野中古墳は、1964年に大阪大学文学部により発掘調査が行われ、出土した多数の甲冑類については2013年までに新たに保存修復作業がなされた。本書は、その修復した後の知見をまとめ、古墳時代研究の現状を示したものである。関連HP http://www.let.osaka-u.ac.jp/kouko/nonaka/ 参照。

2014/4/25 宮本マラシー 教授(言)

タイ語(世界の言語シリーズ;9) (大阪大学出版会, 2014)

 本著は,初心者を対象にしたタイ語の会話や文字を学ぶ学習本です。タイの文字と発音記号,そして日本語での説明からなる「会話の表現と文法篇」と「文字篇」とに分けられます。「会話の表現と文法篇」には,タイ語の発音・声調の説明,そして,様々な場面における会話,それぞれの会話文に出てくる単語の意味,文法の説明と例文,練習問題,分野ごとの基礎語彙といった構成からなる30課以外に,タイの文化を紹介する20のコラムも付加されています。文字篇は,タイの文字の種類,書き方と読み方,それぞれの種類の文字の組み合わせによる発音,そして練習問題で構成されています。また,語彙集,文法と表現の索引が,そして会話の音声データが収録されているCDも付いています。タイ語の会話と読み書きの両方を習い始めようと考えている人に適したタイ語入門書です。

2014/4/25 安田清和 講師(工)

Fortran90/95による実践プログラミング (大阪大学出版会, 2014)

 Fortranは、初学者の自習用から最先端の研究用プログラムまで、多くのプログラム資産が存在する科学技術計算の処理のためのプログラミング言語である。本書は、初学生はもちろん、初歩的なC(あるいはFortran)プログラミングを習得し終えた大学学部学生を対象とした、理工学分野の科学技術計算のための実践的なプログラミングを目指す、Fortran言語によるプログラミングおよび数値解析の基礎・応用についての演習テキストである。

2014/4/22 島岡まな 教授(高等司法)

レクチャージェンダー法 (法律文化社, 2012)

性暴力と刑事司法 (信山社, 2014)

フランスのワーク・ライフ・バランス : 男女平等政策入門 : EU、フランスから日本へ (パド・ウィメンズ・オフィス, 2013)

2014/4/16 田邉 欧 教授(言文)

デンマーク語で四季を読む : デンマーク文化を学ぶための中・上級テキスト集 ( 渓水社, 2014)

 デンマークの文化を紹介した和書はこれまでにも数々出版されていますが、デンマークに関してデンマーク語で書かれたテキストを編纂したものはこれまでありませんでした。溪水社より出版された本書は、大阪大学外国語学部デンマーク語専攻の中級から上級クラス(主に3・4年生)を対象とした講読教材を念頭に編纂を行ったデンマーク語のテキスト集です。本書のねらいはデンマーク語で記されたテキストを用い、「デンマークの文化をより深く学び」かつ「高度な語学運用能力を養うこと」としました。また、本書のテーマはデンマークを「自然の四季」そして「人生の四季」という2つの側面から読み解こうというものです。したがって本書は2部構成となっており、第1部には自然の四季に関連するテキストを、第2部には人生の四季に関連するテキストを、近代から現代まで、またジャンルも詩・文学作品から新聞記事まで幅広く取り上げています。さらにコラムなどの簡単な文化紹介欄も充実しています。また本書の作成は、大阪大学総長裁量経費(戦略的経費)の配分を受け、大阪大学大学院言語文化研究科が進めた「世界に通じる〈阪大メソッド〉高度言語教材編纂プログラム」の一環として行なわれました。本書がデンマーク語の運用能力を大きくレベルアップさせることに役立ち、「デンマークの文化」をより広い見地からより深く学ぶのに有効な手段として活用されることを心から願います。

2014/4/16 杉田米行 教授(言文)

English for fun! : 英検合格! (一ツ橋書店, 2014)

  • 小学生の3級テキスト&問題集
  • 小学生の4級テキスト&問題集
  • 小学生の5級テキスト&問題集

2014/4/15 江尻宏泰 名誉教授(核)

ビックリするほど原子力と放射線がわかる本 : 驚異のエネルギーの基礎と応用の科学 (ソフトバンククリエイティブ, 2012)

原子力と放射線は、20世紀はじめに科学の世界に登場した驚異の原子核エネルギーである。20世紀後半になり、広く工学、医学、農業、エネルギー等に応用され、今日の文明をになっている。しかし、それを有効に活用するには、その基礎となる科学の正しい理解が必須で、科学不在の安全神話や危険神話は、極めて危険だ。著者は、原子核・素粒子物理学者の世界の第一人者で、原子力と放射線について、イラストを使って、基礎からわかりやすく解説し、それがどのように応用されているかを述べている。原子力や放射線のポイントは、その科学をよく知り、科学的に判断し、行動することだ。現代文明社会に生きる上で、必読の者である。まず読んでみよう。ビックリするほど原子力と放射線がわかり、新しい科学の世界が拓ける。

ビックリするほど素粒子がわかる本 : クォークはどうして姿を見せないのか?: ニュートリノはなぜ地球を突き抜けるのか? (ソフトバンククリエイティブ, 2009)

理科離れ、物理離れが言われている。物理の中で、特に理解しがたいのは素粒子・原子核であるという。それは、あらゆる物質の基本要素であり、全ての運動の力の根源であるが、1兆分の1センチメートルの超微小空間の世界である。著者は、60年にわたり素粒子・原子核研究の世界の第一線で活躍している物理学者で、自らの研究の実体験を基に、超難解な素粒子物理を、イラストの絵を使って、見事に解りやすく説明している。素粒子・原子核の研究実績のある著者だからこそ書けた本である。まず手に取って読んでみよう。ビックリするほど素粒子・原子核がわかり、科学の基礎が理解できる。

2014/4/9 新谷俊裕 教授(言文)

デンマーク語(世界の言語シリーズ;10) (大阪大学出版会, 2014)

2014/4/9 松本和彦 教授(高等司法)

日独公法学の挑戦 (日本評論社, 2014)

2014/4/4 菅沼克昭 教授(産)

Introduction to printed electronics (Springer, 2014)

プリンテッドエレクトロニクス技術は、世界が注目する印刷によるフレキシブルで大面積エレクトロニクスを製造する技術である。様々なナノ材料技術や印刷技術、代表的なソーラー、照明、ディスプレイなど各種用途に加え、新たなセンサやヘルスケアなどを紹介している。

導電性接着剤技術入門 (科学情報出版, 2014)

導電性接着剤は、はんだ付けで接続が出来ない低温実装や、反対に耐熱接続を可能にする。本書では、導電性接着剤に関する、電気接続メカニズムや信頼性に関する最新の情報をまとめており、初めて導電性接着剤を使う方や、その特性や評価方法などを深く知りたい方にお読み頂きたい。

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