情報探索入門 > 2.文献を入手する > 2-2.参考文献リストの読み方

2-2.参考文献リストの基本的な読み方

ここでは著者・論文タイトル・収録雑誌・巻号・掲載頁など文献の情報(=書誌情報)がすでに分かっている場合の、論文入手までの流れを学びます。(図2のB~H)

たとえば、授業中に指示があったり、教科書等に掲載されている参考文献リストで紹介された論文や図書を読もうとした場合、その参考文献リストから、論文や図書を入手するための情報を読み取る必要があります。

参考文献とは

参考文献(引用文献)とは、その調査・研究などで参考とした(引用した)文献のことです。他の著作物を参考にしたり引用したりする場合、学問および著作権法のルールとして、巻末のリストあるいは脚注等のかたちで明示する必要があります。

参考文献リストは一定のスタイルに則って記述されます。記述スタイルは分野や雑誌により異なりますが、ここでは、一般的な参考文献の記述例を挙げ、文献の入手に必要な情報を読み取る方法を説明します。

雑誌論文の場合

記述例

  • 仁田義雄. 日本語の主語をめぐって. 国語と国文学2007, 84(6)p.1-16
  • 仁田義雄 (2007) 「日本語の主語をめぐって」『国語と国文学』84(6)1-16
  • Taubenberger JK, Morens DM. The pathology of influenza virus infections. Annu Rev Pathol 2008;3:499-522.
  • Taubenberger JK, Morens DM. (2008) The pathology of influenza virus infections. Annu Rev Pathol 3. pp.499-522.

解説

書誌事項の記述順はおおよそ以下の2パターンに分けられます。

  • 論文著者 論文タイトル 収録雑誌名 出版年 掲載巻号 掲載頁
  • 論文著者 出版年 論文タイトル 収録雑誌名 掲載巻号 掲載頁

論文タイトルは "" や「」で、収録雑誌名はイタリック体にしたり『』で括る場合も多いです。

収録雑誌名は略誌名で記述されることが少なくありません。

ポイントはまず、掲載巻号・掲載ページを見つけることです。その前に掲載雑誌名、さらにその前に論文タイトルがあります。

図書の場合

記述例

  • 渥美公秀『ボランティアの知:実践としてのボランティア研究』 大阪大学出版会, 2001年.
  • 渥美公秀 (2001)ボランティアの知:実践としてのボランティア研究.大阪大学出版会
  • Mizel MS, Miller RA, Scioli MW, eds. Orthopaedic Knowledge Update. Rosemont. IL: American Academy of Orthopaedic Surgeons 1998.
  • Mizel MS, Miller RA, Scioli MW, eds. (1998) Orthopaedic Knowledge Update. Rosemont. IL: American Academy of Orthopaedic Surgeons.

解説

書誌事項の記述順はおおよそ以下の2パターンに分けられます。

  • 著者 書名 出版者 出版年
  • 著者 出版年 書名 出版者

版表示(新版・第2版以降であれば)や出版地も記述される場合があります。

  • 著者 書名 版表示 出版地 出版者 出版年
  • 著者 出版年 書名 版表示 出版地 出版者

図書の一部分の場合(章、または論文集に収録された論文など)

記述例

  • 鵜飼保雄. 「遺伝率の相対性」. 『量的形質の遺伝解析』.医学出版, 2002p.109-110
  • Mari Ramirez. El clasicismo dinamico deAlfaro David Siqueiros. In Otras rutas hacia Siqueiros.Curare, 1996p.125-146

解説

参照(引用)した部分(章、論文)のタイトル→図書全体のタイトルの順に記述されることが多いです。
外国文献については"In"が図書の目印。

【参考】記述スタイルについて

【参考】略語一覧(例)(注1)


略語 意味 略語 意味
ed. 版次(edition) n.p. 出版者不明(no publisher)
ed. 編集者(editor) rev.ed. 改訂版
eds. 編集者 ser. シリーズ
et al. ほか tr. 翻訳者
n.d. 出版年不明 trans. 翻訳者
no. vol.
n.p. 頁記載なし(no pagination) vols.

(注1)藤田節子『レポート・論文作成のための引用・参考文献の書き方』日外アソシエーツ, 2009年, 19-20頁を参考に作成

→ 練習問題1→

PAGE TOP