附属図書館長就任ご挨拶
「新たな「知の循環」を促進する附属図書館をめざして」
附属図書館長 宮本陽一
本学は「地域に生き世界に伸びる」とのビジョンのもと、感染症、フードロス、エネルギー等、これまでに経験したことのない社会課題に対して、世界最先端の研究成果をもとに、総合知・実践力を活かし果敢に挑み続けてきました。本学は社会構造変革を先導する大学として、さらに研究、教育、共創の取り組みを進化させることが求められています。このような研究教育活動を支えるため、附属図書館は「大阪大学附属図書館将来構想2025-2030」を策定し、附属図書館の果たすべき役割を再定義し、4つの軸を掲げています。
- 情報の発見・入手・利活用をサポートする
- 研究成果を継承・発信する
- 大学の知と社会を繋ぐ
- 図書館機能の基盤を整備・強化する
これからの研究教育活動にはVUCA時代に即したトランスファラブルスキルが欠かせません。このスキルを養成するには、自分の専門分野のみならず、幅広い専門分野の情報収集が必要になりますが、AI時代に入り、インターネットを通じて必要な情報、論文等が即座に入手できます。このような時代における附属図書館の果たすべき役割をこの将来構想を指針に明確していきたいと思います。AIを活用して文献検索をより容易にできれば、研究時間確保に繋がり、研究者は新たな「知」の創出に時間を費やすことが可能になるでしょう。また、AI時代において情報リテラシー教育の重要性は増しています。このような状況において附属図書館は、時代に則した情報リテラシーに係るFD、附属図書館TA(ラーニング・サポーター)による学習支援等をとおして、教職員をサポートしていきます。シンギュラリティの到来を念頭に、附属図書館がいかに本学の研究教育活動をサポートしていくべきかを考え、ロードマップを作成していますので、ぜひ一度ご覧ください。
昨年、附属図書館は顔認証・QRコードによる入館ゲートおよび自動貸出返却装置を導入しました。この試みは他大学に先んじた取り組みであり、プレスリリースも行っています。先日、テレビ東京でも本学のDX化の一環として紹介されました。DX化だけではありません。外国学図書館は箕面市立船場図書館との一体的運営を行い、市民と大学の連携の場になっています。外国学図書館は、単なる図書館の運用にとどまらず、阪大ふくふくセンターが行う外国にルーツを持つ子どもたちならびにその家族のサポートを、25言語の図書や様々なイベントをとおして支援しているのです。外国語学部を有する本学の図書館であるからこそできるユニークな活動になります。このような取り組みは学外においても高く評価されており、昨年「Library of the Year 2025 優秀賞」を受賞しています。
このVUCA時代において、DX化を推進する研究型総合大学である本学の附属図書館は、経営企画オフィス、D3センター、全学教育推進機構等、様々な学内組織と協働しつつ、さらに国立七大学や京阪神3大学をはじめとした大学図書館間の連携等も強化しつつ、新たな「知」の循環を促進する運営を進めていきます。引き続き、ご支援ならびにご協力のほど宜しくお願いいたします。
米国コネチカット州立大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。1997年より大阪大学言語文化部助教授、大阪大学大学院言語文化研究科助教授・准教授・教授、大阪大学大学院人文学研究科教授・研究科長等を経て、2025年より大阪大学理事・副学長。
専門は理論言語学、言語獲得、言語処理等。特に言語学と脳科学の接点から自然言語の構造について研究を進めている。
