ここでは日本の判例の調べ方・探し方を、大阪大学およびインターネットで利用できる情報源を中心に紹介します。
「判例」とは一般的に、先例となりうる判決のことを指します。以下で紹介する判例集や判例データベースは、各裁判所で出される判決等のうち、法解釈が後の裁判の先例となりうる重要なものを専門家が選んで収録したものです。
判例が引用される場合、出典の記述には以下のように独特の表記や略語が用いられます。まずはこの点を押さえることが、判例を探すにあたって必要となります。
裁判所名+裁判の形式+判決等年月日+事件番号+出典(=掲載資料名+掲載巻・号・頁)
最大判 昭和53・10・4 昭和50(行ツ)120 民集32巻7号1223頁
最高裁判決平成9年4月2日裁時1192号1頁 事件番号が省略されている例
判例関係の資料には大きく分けて、裁判所・行政機関発行の判例集(公的判例集)と民間出版社発行の判例集・判例雑誌の2つあります。
公的判例集 | 裁判所に設けられた判例委員会が選定した判例が収録されており、重要性が高い資料です。ただし、収録数は多くありません。 | |
最高裁判所判例集 | 最高裁判所民事判例集(民集) 、最高裁判所刑事判例集(刑集)の2つの部分から成っています。 | |
高等裁判所民事判例集 | (2002年廃刊) | |
裁判所時報 | (2021年冊子廃刊) | |
裁判例検索(裁判所Webサイト) | 最高裁・高裁・下級裁・行政事件・労働事件・知的財産権裁判の判例集が、判決日・裁判所名・キーワード等によって検索できます。民間の判例データベースには収録数で劣りますが、最も速報性が高い判例情報サイトです。 | |
民間の判例集・判例雑誌 | 判例そのものはもちろん、問題の背景や解説が掲載されている場合があります。分野総合的な資料だけでなく、専門分野別の資料も多く刊行されています。例えば、以下のような雑誌があります。 | |
判例タイムズ | D-1 Law.com 「解説検索」 阪大契約データベース で、1号~最新号の解説を閲覧できます。学内ネットワークからのみ利用できます。 | |
判例時報 | ||
各種分野別の判例雑誌『労働判例』、『金融・商事判例』など | ||
民間の判例データベース | 公的判例集を含む、さまざまな判例集・判例雑誌に収録された判例をまとめて検索できます。判例の解説や判例全文を収録している場合もあります。大阪大学では以下のデータベースを利用できます。 | |
D-1 Law.com 「判例体系」 阪大契約データベース | 日本の判例、判例解説、法令、法律関係の文献情報を検索できます。提供元である第一法規が独自に入手した判例も収録されています。フリーワード、裁判年月日、事件番号のほか、「参照法令」からも検索できます。 学内ネットワークからのみ利用できます。 | |
D-1 Law.com 「法律判例文献情報」 阪大契約データベース | 図書・雑誌(約1,600誌)および新聞(朝日・毎日・読売・日経)に掲載された法関連文献と判例情報誌26誌に掲載された判例について書誌情報を検索・確認できます。学内ネットワークからのみ利用できます。 | |
LEX/DBインターネット 阪大契約データベース | 明治から今日までの公表された判例全文を網羅的に収録したデータベースです。行政機関の審決・裁決等の検索と全文入手も可能です。 |
法学部・法学研究科・高等司法研究科所属者のみ利用できるデータベースもあります。 詳しくは、以下のページをご覧ください。
データベース(日本編)(大阪大学法学研究科ローライブラリー)
以下のような資料に判例評釈(判例解説)が掲載されています。
いずれも、日本の判例についての調べ方のガイド集です。